私は時々ではあるが、「花の仕事」に従事していることに、劣等感のようなものを抱くことがある。それは、同じ中央市場に入っている魚市場や青果市場の売上げと、わが社のそれを比較した時であったり、スーパーやホームセンターの片隅に追いやられて、寒風にさらされている「売れ残りの花」を見たときであったり、様々である。所詮、花というのは人の生活の必需品ではなく、嗜好品にすぎないではないか、という気持ちになるのである。そのような「花というのはマイナーな商品ではないか」という寂しさを吹き飛ばしてくれるのが、この「世界ラン展」である。
銀色に輝く巨大な卵「ビッグエッグ」の中に入り、観客席の上から球場内を見下ろしてみよう。中央のシンボルゾーンを中心に、数多くのディスプレイと品目別の審査コーナー、さらに販売コーナーなどが広い野球グラウンドを埋めつくしている。ここで、まずは広角レンズを使って全体写真を撮っておきたい。観客席の通路を下りたら、まずは正面ゲートからの中央のシンボルゾーンまでを、ゆっくり歩いていくといい。ここは主催者が毎年テーマを変えて展示をするコーナーであり、あなたの想像を越えた華麗なランの競演を見ることになろう。それからあなたは話の種に、今年の日本大賞の花を見ておかなくてはと思う。しかし、入賞花の並んだ円形の展示コーナーの前は、ラッシュアワーのごとく人の群れが囲み、ズームレンズを使わないと写真も撮れない状況なのだ!もう少し人の少ない時間帯にしようと思い、振り返って観客席の方を見ると、人の列の帯が続々と球場内の中に向かっており、人の波はしばらく途絶えそうにない・・・。
「世界ラン展日本大賞」は年とともに拡大し、現在では入場者は40万人を越え、出展品への賞金総額は1700万円という。質量ともに世界最大級の大会となっている。「花の仕事」をしていて、なぜか自信をなくしている「あなた」―時間とお金をなんとか工面して、東京ドームまで足を運び、「花と人」に酔ってみてはいかがですか?今年は2月24日から3月4日までの開催ですよ!
「東京じゃけえ、あがいなことが出来るんようとか言わんと、広島も負けんようにやらんといけんのう。」