その06.飲酒運転

 「安全運転管理協議会」なるところから、ある文書が届いた。「飲酒運転の追放宣言をそれぞれの職場で書いて提示し、その文章を事務局までFAXするように」とある。最近のマスコミの飲酒運転撲滅キャンペーンは凄まじい。福岡市で3人の幼児が車ごと海に転落して死亡した事故以来、全国各地で飲酒運転への処分を厳しくする動きが出ている。広島市のように、飲酒運転だけで「原則免職」という規定を設けるところもあり、厳罰化の動きは公務員のみならず、民間にも波及しそうな状況である。特に最近は、飲酒運転の「幇助(ほうじょ)」が取り締まりの対象になったことは注目すべきだ。(車で来た事を知っていながら)酒を飲ませた飲食店や、(運転手が酒を飲んでいることを知りながら)一緒に乗っていた者までが、罪に問われてしまうということである。ここまで来ると「のんべ党」に属する私などは、「ここまでやるか!?」という気がしてくるのである。

 市場というところは、昔から酒との因縁が深い所である。初市といっては飲み、納市といっては飲み、大市といっては飲み、花供養で飲み、反省会といっては飲み―そして仕事が終わったからといって飲むのである。まさに「一年中酒が飲める歌」の世界である。このようなわが社の伝統は、「のんべ」には極楽であろうが、「下戸」にはつらいこともあろう。あまり飲みたくない時でも、「これは御神酒じゃから飲まんといけん」と勧められると断りきれず、ついつい一杯ということになる。このようなことは、日本の会社の悪しき伝統という見方もあるが、社員同士のコミュニケーション上では、大いにプラスになっていると思われる。しかし、現今のような厳しい状況においては、会社帰りに「ちょっと一杯」というわけにはいかないのである。早朝出勤が多く、ほとんどの社員が車で通勤しているからである。少々寂しいことではあるが、これもご時世ということかもしれぬ。