以前、わが社の陣容は67人ということを書いた。しかし、市場というのは社員だけで回っているわけではない。11年前に従来の手ゼリから機会ゼリに移行して以来、夜間の荷受けと切花の分荷を中心に、パートさんの採用を開始した。平成18年9月現在で、夜勤パートは男性のみで6名、昼間パートは女性中心で26名、計32名が働いている。今ではパートさんなしでは、セリ前の準備もセリ商品の仕分けもセリ後の片付けもままならない、というのが現状である。
女性のパートさん20名の平均年齢は54才。まさに「おばさんパワー」のおかげで、わが市場の日々の業務を無事にこなしていると言える。朝の切花のセリが2~3時間で終了すると、15分程度の休憩タイムだ。彼女たちはそれぞれ3~4人で台車に腰をおろし、用意していた水筒やお菓子を出してなごやかな「井戸端会議」となる。時には若手社員も同席して、お相伴に預かっている。しかし、私のような「気難しい暗い顔」したおっさんが呼ばれることは決してないのである。
概して言えることは、男性は高齢になると口数が少なくなり、「陰気な老人」になっていく人が多い。それに対して女性はよくしゃべり、よく笑い、「元気なおばさん」になっていく傾向が強いようだ。これこそ、女性長寿の一番の理由だと思う。私も自らの健康のために、「暗く気難しい顔」を「明るい優しい顔」に変貌させたい。しかし、これは持って生まれた性格でもあり、至難の技である。
「花を作るのも、売るのも、買うのも、おばさんパワーがあってこそ。花の業界を支えとるのはオバチャンというのを忘れちゃあいけんよのう」